デニムの加工あれこれ

1890年に誕生したワークウェアとしてのジーンズが、一流のファッションアイテムへと跳躍を遂げたのは1969年。イヴ・サンローランがプレタポルテでデニム地を使ったコートを初めて発表したのがきっかけ、なのだそうです。以降、日本で生産が開始されるようになってからも、ジーンズは時の流行をまといながら、さまざまな加工が施されるようになりました。そんなさまざまな加工の中でも、人気の加工方法をご紹介します。

 

1、ヒゲ加工

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履きしわが擦れて色落ちする「ヒゲ」を人工的に施す加工で、いまや最もポピュラーな方法です。製品に合わせてしわをつけた「ヒゲ台」にジーンズを履かせ、やすりを使って擦るというシンプルな加工ですが、実は絶妙な力加減を要する繊細な作業。職人の腕が試される加工のひとつです。

 

2、シェービング加工

太ももやひざ、ヒップのポケット部分に色落ち感を出すために施す加工で、ヒゲ加工に比べて広い面積で平面的な色落ち加工が可能な方法です。シェービング(=削る)の意味どおり、サンドペーパーや電動ブラシを用いて生地が白くなるまで擦ります。

 

3、ダメージ加工

裾やポケット口、ひざ部分に「ほつれ」を施す加工です。意外と歴史が古く、1975年頃のパンクバンドブームからはじまった、とか。グラインダーやサンダーなど、金属加工に使う研磨道具を使用しますが、家庭でもカッターとやすりを使って比較的簡単にトライできる加工方法のひとつです。近年では大胆にダメージ加工を施したクラッシュデニムがブームになっています。

 

4、レーザー加工

数百度のレーザー光線を用いて生地の表面を熱分解し、色落ち感や柄を施す加工で、綿、麻、合繊、プラスチック、ゴムなどに加工できるので、繊維にポリウレタンを含むストレッチがきいたジーンズにも加工が可能です。レーザーを部分的に強く当てると、縦糸や生地をカットすることがでるので、実に独特の加工が施せます。

 

5、ワンウォッシュ加工

1970年代に日本でもジーンズの生産がはじまって以来、一番はじめに発達した定番の加工です。当初は、生地についた糊を落としてインディゴの移染を防止し、生地をできるだけ収縮させて縮みを安定させる目的がありました。常温の水に浸して天日干しするだけの糊を落とさない方法や、仕上げたい固さに応じて柔軟剤とともに洗って風合いを出すなど、さまざまな加工方法があります。

 

6、ストーンウォッシュ加工

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石と水とジーンズを専用の機械に入れて洗うことで全体が均等に色落ちし、繊維の毛羽が出て柔らかい風合いが出るのが特徴の、1980年頃からはじまった加工です。もとはビンテージ感を手早く出すために砂利を入れることからスタートしたのですが、その後ヨーロッパで軽石とともに洗う方法が開発され、抜群の仕上がり具合が人気となりました。その後、ポケットの中に残った軽石や砂を取り除く手間を省くため、人工軽石などが開発されました。

 

7、ケミカルウォッシュ

軽石を強力な漂白剤に浸し、ジーンズとともに専用機に入れブリーチする加工です。
軽石が大きければ、ブリーチしたときの柄が大きく、軽石が小さければ霜降りのような淡く繊細な色落ちになります。1980年代に爆発的ヒットとなり、それ以降は下火になったものの、80年代ブームとともに個性的なジーンズとして再び注目が高まっています。

 

8、フェード、ブリーチ

酸化剤や還元剤を使って脱色する加工です。若干色を落とした場合にはフェード、強い脱色剤を用いた大胆な脱色はブリーチと呼ばれます。ワンウォッシュの次に開発された王道の加工方法です。