なんのためにある? ジーンズの小さいポケットの意味

ジーンズを着たことのある方なら一度は気になったことがあるかもしれないのが、ほとんどのジーンズの右ポケット部分にある、小さなポケットの存在です。スタンダードなスタイルのデニムパンツを「5ポケット」と呼ぶことがありますが、これは右前・右後ろ・左前・左後ろとこの小さなポケットを合わせて「5ポケット」と呼ばれています。いったいこの「5つめのポケット」はいつから、何のために存在しているのでしょう?

小さいポケットは、懐中時計を入れるためのものだった

実はこのポケットは、デザインのためのものというわけではなく、かつては実用的に使われていました。そもそも、労働者のためのワークウェアとしてジーンズが多く生産され始めたのは、19世紀の出来事。この頃の時計の主流は、現在のような腕時計ではなく、懐中時計でした。ジーンズの小さなポケットは、もともと、この懐中時計をしまうために作られたものだったのです。

 

当初はもっと大きなポケットだった?

お手持ちのジーンズのポケットを確認してみると、「懐中時計を入れるにはやや小さいのでは?」と思われるかもしれません。実際、実用的に使われていた頃には、このポケットは今のサイズよりも大きいものであったようです。懐中時計が主流を占めなくなったあとの時代にも、この小さなポケットは小さいサイズで残されることになりました。そこで小銭を入れるために使う人も現れはじめ、それまで「ウォッチポケット」と言われていたものが「コインポケット」と呼ばれるようにもなりました。

 

現代になってにわかに浮上した「ポケット問題」

2010年代になってから、インターネット上でにわかに「小さいポケットの謎」が取りざたされるようになりました。今までは、人々が疑問に感じることはあっても、それらが集積されることはなかったのかもしれません。しかし今やインターネットの時代。オンラインでさまざまな議論が行われるなかで、ついにLevi’sの本社がブログでコメントを出すに至りました。その結論が、上記の「懐中時計入れ」なのです。実際、アメリカのLevi’s本社に所蔵されている最古のジーンズにも、すでにこのポケットは存在するのだといいます。

2018年になって、日本国内のテレビ番組でもこの「小さいポケットの謎」が取り上げられるに至りました。

 

現代のジーンズのポケットには、様々なアイデアも

古い時代に携帯することが常識だったアイテムが「懐中時計」なら、現代の必需アイテムはもちろん「スマートフォン」でしょう。近年になって、スマートフォン専用のポケットがついたジーンズを発売するメーカーなども現れています。ただ、まだ主流となるにはポケットの位置に試行錯誤が必要な模様で、後ろのお尻部分の上部や前の腿部分上部など、メーカーによってさまざまな試みがなされています。気候やコーディネートはもちろん、持ち歩くガジェットのことも考慮してジーンズを選んでみるのも楽しいかもしれませんね。