映画とジーンズ

アメリカは戦勝国となった1950年代以降、映画、車、ファッション、音楽など新しいカルチャーを生み続けてきました。日本でも、戦後のアメリカ駐屯兵がジーンズを穿いていたことが、国内でジーンズファッションが広まる大きなきっかけとなりました。

そんなアメリカのジーンズスタイルの広がりにおいて、最も上流にあった要因の一つがハリウッド映画でした。多くのハリウッド俳優・女優がジーンズ着用し、さらにそれぞれの映画のメッセージをまとうことで、ジーンズそのものが「若さ」「自由」や「ロック」などの象徴となっていきました。

今回は、ハリウッド映画の中でもジーンズなくしては語れないほど、ジーンズが強烈なインパクトをアメリカ全土に轟かせた、代表的な映画2作をご紹介。機会があれば、彼ら・彼女らのジーンズや着こなしに注目しつつ、観てみてくださいね。

 

マーロン・ブランド主演「The wild One(邦題:あばれもの)」

1953年に公開された「The wild One(邦題:あばれもの)」で主役の不良ジョニーを演じたマーロン・ブランド。この映画での彼のファッションは、当時最高にクール&セクシーと評され、髪型は後にエルヴィス・プレスリーやジェームズ・ディーンも模倣したと言われるほどでした。

この映画の中で、マーロン・ブランド率いる暴走族の不良たちは、リーバイス501を穿き、革ジャンを身にまとってバイクで暴れまわりました。

この映画の影響力は大きくで、ジーンズは若さや不良の象徴と言えるほどまでに定着します。一部の学校では不良のイメージが強いことから、ジーンズ着用を禁止するところもあったそうです。しかし、禁止されると穿きたくなるのが反抗期の若者の常。禁止すればするほど、若者たちはジーンズへの思いを募らせていったようです。

まさに、ジーンズ・デニムを労働者やカウボーイのワークウェアから、ファッションアイテムへとイメージを塗り替えさせた映画でもあります。

 

ジェームズ・ディーン主演「Rebel Without a Cause(邦題:理由なき反抗)」

1955年に公開されたジェームズ・ディーン主演「Rebel Without a Cause(邦題:理由なき反抗)」によってジーンズは、若者世代のシンボルとしての地位を確立し、広まっていきました。

チキン・レースとして有名な、真正面から車を向かい合わせで走らせる度胸試しの場面が映画の中で重要な局面のひとつであったことから、後の映画でもこの場面はオマージュされていくことになり、日本の映画でもよく見られるシーンになっています。

エネルギーに満ち溢れ不良行為を働く一方で、激しく揺れ動く若者のナイーブな側面を描いた本作は、主人公がごく一般家庭の青年であったことから、多くの若者に共感を与えました。

この映画でジェームズ・ディーンはリーのライダース101を着用していたことから、これまでのリーバイス501だけではなく、リーのジーンズが一躍アメリカ全土に広まるきっかけとなりました。

 

この時代のアメリカ社会への不信感や、若者が自分を投影できる内容であったことが時代背景とマッチし、こうしてジーンズは、若者の心のメッセージを表現する役割を担う、特別な意味を持つアイテムとなり、世界中へ広まって行きました。