Lee(リー)の名作「リー・ライダース」誕生の裏話

1924年、カウボーイのためのジーンズ「リー・カウボーイ」が誕生したことは「ジーンズ界のパイオニア!Lee(リー)誕生の物語」でご紹介しましたが、1946年「リー・カウボーイ」は「リー・ライダース」へと名称変更という形で生まれ変わります。ではなぜ、このような名称変更が必要だったのでしょうか?そこにはLeeの戦後の事業戦略が関係しています。

 

アメリカ中西部から東部への事業拡大

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第二次世界大戦中の物資不足のため、リーのデニムもステッチなど様々なパーツの簡素化を余儀なくされていました。しかし、戦争が終わりその制約がなくなったため、リーは新たな事業拡大戦略に打って出ます。
アメリカ中西部から事業を開始していたリーの商品「リー・カウボーイ」は、カウボーイを中心に限定された職種の仕事着として定着していました。一方で、アメリカ東部の新たな顧客層=一般の人や学生を獲得するためには、「カウボーイのための仕事着」というイメージを払拭する必要があると考えたのです。そのために、大きなシルエットやディティールの変更よりも先に、まずは名称を変更に。これが「リー・ライダース」の誕生です。
ちなみに、主な変更点は、トップボタンとタグ(ウエスト内側に縫い付けられているもの)に記載された「COWBOY」を「RIDERS」へ変更する内容だったのですが、誕生したばかりの「リー・ライダース」の中にはボタンに「COWBOY」の刻印が残っているものもあり、マニアの中では高値が付いているようです。

 

その後の「リー・ライダース」の全米への拡大戦略

「リー・ライダース」がアメリカ東部で成功を収めたのち、リーは1950年代になるとファッショナブルなカジュアル路線をさらに進んでいきます。
1954年にはレジャー用途のカジュアルスラックス「リージャース」(”リー”と”レジャー”を組み合わせた造語)、1959年には白いコットンサテンの「リー・ウエスターナーシリーズ」など次々に新しい商品を発売。「リー・ウエスターナー」のポスターには、当時のロデオチャンピオンのウェーン・ヂュナファンが登場したりと、よりファッショナブルなイメージ戦略を取っていたことが伺えます。
イメージ戦略も成功し、「リー・ライダース」もファッション性やトレンドを踏まえて進化していきます。当時流行していたウエスタンブーツに合わせて、「フルカット・ストレートレッグ(テーパードしていないタイプ)」、「ブーツカット・トリムフィット(スリムタイプ)」、「ブーツカット・レギュラーフィット」などなど、“テーラードシルエット”と呼ばれるシルエットの多様化が進みました。

 

現在もシルエットのバリエーションに加え、様々な生地での展開も増えており、四季を通して楽しめる「リー・ライダース」シリーズ。
より多くの人に愛用してもらいたい。そんな思いがこの名称誕生の背景にはあったのです。