ジーンズマニアなら知っておきたい、インディゴ染料の歴史

爽やかなホワイトデニムやいさぎよくブリーチしたライトブルーのデニムなど、デニムには色々な種類がありますが、王道の1本といえばやっぱり深いインディゴブルー。今回は、デニムを語る上で欠かせない、インディゴ染料の歴史をご紹介。

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インディゴの語源は、インヂゴと呼ばれる藍色(ブルー)の色素。このブルーの成分インヂゴを含む植物は世界中に生息しており、古くから染料として利用されてきました。ヨーロッパでは、大航海時代までアブラナ科の植物であるウォードやタイセイなどがブルーの染料として使われていましたが、大航海時代以降はマメ科のインド藍で作られた染料が広まり、以降、インディゴといえばこのインドの藍が一般的となっていきました。

日本では、奈良時代にインドシナ原産の蓼藍(たであい)が中国を経由して伝わってから、平安、鎌倉、室町時代と時間をかけて少しずつ染めの技術が進歩していきましたが、江戸時代に木綿の反物が一般に流通するようになると、ありとあらゆるものに藍染が利用されるようになり、藍染は一気に普及しました。

 

蓼藍(タデアイ)

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ただ、天然の藍染は原料の蓼を育てるところから始まるため、時間も手間もかかります。そんな天然藍の代わりとして作られたのが合成染料です。

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1880年にドイツの化学者A.ボン.バイヤーが天然インディゴとまったく同じ成分構造を持つインディゴの合成に成功。石炭から作る合成染料が誕生しました。現在では、時間も手間がかかる天然藍に代わって、この合成染料を使うことが一般的になっています。

 

インディゴ染料は防虫効果があることから、元祖ジーンズであるリーバイス501が生まれた1890年頃は、作業着としてジーンズを履いていた労働者たちの間でとても重宝されました。しかし、実はインディゴは他の染料に比べて染まりにくく、何回も染めなければ濃いブルーになりません。繰り返し染めても糸の中心までは染まらないために、デニム特有の「中白」と呼ばれる糸の中が白い染色状態ができるのです。しかも洗濯などにより色落ちしやすい特徴があり、染料としては長所と短所があります。にもかかわらずジーンズが世界的に人気なのは、色落ちをファッションとして楽しんでしまう文化があるからこそ。

ちなみに、ジーンズの元祖リーバイ・ストラウス社にデニム生地を卸しているコーンミルズ社は1978年まで天然のインディゴ染料で生地を染めていたそうで、この時までに作られたデニムを本物のヴィンテージデニムと呼ぶそうです。