染料は黄緑色!?繊維がインディゴで染まる仕組みを化学する

あざやかなブルーが印象的なデニムですが、実はデニムの染料はもともと黄緑色をしていることをご存知でしょうか?デニムはインディゴ染料の化学反応によって、青く染め上げられているのです。
今回は繊維がデニムの染料であるインディゴで染まる過程で、化学的にはなにが起こっているのかを見てみましょう。

 

デニムを染め上げるインディゴの性質

インディゴ染料の歴史でも紹介したように、デニム生地の鮮やかな青色はインディゴという染料によるもの。もともとはウォードや蓼藍、キアイなどの植物から採取されていましたが、現在では合成されたインディゴ染料がほとんどです。

それではこのインディゴに布を浸し、すぐに布を洗ってみるとどうなるのでしょうか。実はインディゴに繊維を浸けただけでは、布は青色に染まりません。わずかに色を吸収はするものの、繊維にインディゴが定着していないため、水で洗うと色は落ちてしまいます。インディゴが水に溶けにくい性質であるためです。そこで還元剤を加え、インディゴの性質を変化させます。インディゴの状態では、水に溶けづらく、繊維を染めるにいたらなかったものが、還元剤のはたらきにより、染めやすく繊維に定着しやすくなるのです。

 

インディゴが布を染め上げるメカニズムを知ろう

インディゴがどのようにして布を染め上げているのか、日本の伝統的な藍染めを例にそのメカニズムに迫ってみましょう。
藍植物には水溶性で無色のインディカンという物質が含まれており、そのインディカンを加水分解すると、インドキシルとグルコースに分かれます。インドキシルは空気に触れると酸化。インディゴという物質に変化します。藍染めではこの性質を利用しています。
まずは「すくも」を作ります。藍染めに必要な染料です。刈り取った藍の生の葉を刻み、天日乾燥をします。それを100日程度寝かせこみ(藍の葉に水をかけ、発酵を促す作業)することで、藍の葉は酸化した状態の青黒い色の「すくも」となります。インドキシルが酸化してインディゴへと変化した証です。

すくも(インディゴ)は青色をしているものの、そもそも水に溶けづらい性質を持っているため、そのままでは布を染まることはできません。すくも・小麦ふすま(発酵の栄養源)・灰汁を混ぜて発酵、アルカリ性へと変化させます。そうすることで、インディゴは水溶性で黄緑色のロイコ体インディゴとなり、アルカリ性の水によく溶けるようになるのです。ロイコ体インディゴが溶けた水に、布や糸を浸し引き上げると、空気に触れることで酸化し、不溶性のインディゴに戻り、青く発色。この一連の操作は「建てる」と呼ばれています。

 

これだけデニムがポピュラーになっている一方で、意外に知られていない染料としてのインディゴの特徴と、染め上げにまつわるメカニズムを解説いたしました。デニムの青色の秘密に迫ってみるとお気に入りのデニムにもより愛着が湧くかもしれませんね。