知っているようで知らない、デニムの原料「コットン」について

デニムの原料といえば、誰もがコットン(綿)を思い浮かべますよね。でも、その素となる綿花が、今から4000年以上も前から栽培されていたことは、ご存じでしたか?

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現在、綿花の主な生産国は中国、インド、アメリカそしてパキスタン、ブラジルなどなど。綿花は、日当たりが良く乾燥した気候を好むので、他の作物に適していない世界中の乾燥地帯でよく栽培されていて、しかも灌漑(かんがい)農業ではなく、雨水を活用した栽培が可能なため、途上国などで灌漑システムを持たない地域でも栽培することができるんです。

※灌漑農業:水路などを作り外から水を引いて散水する仕組み

 

オーガニックコットンが生まれた理由

Arctic cotton flowers

何世紀にもわたって自然の恵みを受けて栽培されてきたコットンですが、近年問題になっているのがコットンに使用する殺虫剤や、除草剤による水質汚染とコットン農家で働く人々の健康被害。またさらにここ数年は、雑草や害虫に強く収穫高がアップするという謳い文句で、遺伝子組み替えコットンが普及してきました。しかし、実際は従来のコットンと比べても収穫高が上がるわけではなく、農家は専用の除草剤を購入し使用することを強いられ、さらに首を絞められることになったのです。こうした現状に待ったをかけるべく、最近はオーガニックコットンが注目を集めています。

オーガニックコットンとは、化学肥料や農薬を3年以上使っていない農地で栽培された、遺伝子組み替えでない種子から育てたコットンのこと。農薬や肥料を使用しないため、生産高がその年の気候条件などによって非常に左右されます。また専門の認証機関による厳しい監査をくぐり抜けなければオーガニックと認められず、製品としての販売価格も比較的高価になるため、オーガニックコットンの普及率はまだまだ。生産量は総生産量のわずか1%にも満たないと言われています。

 

高級な綿花は何が違う?

ところでオーガニックコットンも従来の農法によるコットンも、原料としての質はほとんど同じ。綿花の種類は綿の長さで決まります。超長繊維は34.9mm以上、長繊維は28.6〜33.3mm、中長繊維は26.2〜27.8mm、中繊維は20.6mm〜25.4mm、短繊維は20.6mm以下と分類し、繊維が長いほど上質なものとされ、製品の用途に応じて使い分けます。

コットンは原料の段階ではこうした短い繊維の集まり(綿)です。これを布にするには、まず繊維をより合わせて引き延ばす「紡績」という作業を経なければなりません。このように私たちの身の回りにあるコットンは、綿花の栽培から製品になるまでどれも手間と時間がかかったもの。適切な製品を選び、長く使うことが大切ですね。