老舗デニムメーカー、コーンミルズ社を知ってる?

ジーンズといえば、労働者のためのワークパンツとして世界ではじめて誕生した「リーバイス501」が浮かベますよね。そんな「リーバイス501」を生み出した、言わばジーンズの生みの親とも言えるリーバイ・ストラウス社に、約100年にわたって生地を提供してきたデニム生地メーカー、コーンミルズ社をご存知ですか?

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アメリカでもその存在はレジェンド級

コーンミルズ社の前身となるコーン貿易会社の設立は1891年。創始者はモース・コーンとシーザー・コーンというドイツ系移民の兄弟でした。
2人はノースカロライナ州のグリーンズボロで2000エーカー以上もある広大な土地を購入し、Proximity Cotton Mills(プロクシミティコットンミルズ)という名の織物工場を建設しましたが、それから数年後の1905年4月には、デニムを織る工場を新たに建設。敷地に樹齢200年のホワイトオークの巨木が立っていたことから、工場の名はWhite Oak Cotton Mills(ホワイトオークコットンミルズ)と名付けました。この工場の新設からわずか3年後の1908年までには、同社は世界でも最大といわれるデニムメーカーとなり、その勢いはまさに飛ぶ鳥を落とすほどでした。

そんなコーンミルズ社のデニムの目をつけたのがリーバイ・ストラウス社です。
「リーバイス501」が誕生して以来、リーバイ・ストラウス社はニューイングランドにあるアモスケグ社のデニム生地を使用していました。しかしより高品質なデニムと安定した供給を求めていた同社は、伸縮率が高く、着ることと洗うことを繰り返すことで身体にフィットし、濃淡のある色落ちが出るコーンミルズ社のデニムを使うことにしました。

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1915年には、リーバイ・ストラウス社はコーンミルズ社のデニム生地を独占的に使う「ゴールデンハンドシェイク」と呼ばれる提携を結び、1920年にはリーバイス専用のデニム生地の製造がスタート。1929年の世界大恐慌の後に「リーバイス501」の全製造工程に改良を加えるという大英断が下されたときも、コーンミルズ社の10オンスデニムを使用することは固く守られ、現在に至るまで両社の密接な関係は連綿と続いています。

 

老舗デニムメーカーならではのこだわり

デニムマニアの間で「コーンデニム」と呼ばれるコーンミルズ社のデニムは、ホワイトオーク工場でアメリカンドラッパーというシャトル織り機を使って織られています。何とこの織機、1940年代から使われていて、いまでも当時と変わらずにフローリングの床に織機を置いているのだとか。その理由は、床がきしむことでデニムを織る際にリズムが生まれ、生地に独特の質感が出るからなのだそう。

そしてもうひとつ欠かせないのが、熟練工の職人たち。ホワイトオーク工場で働くワーカーのなかには、50年以上勤めているというベテランもちらほら。機械を知り尽くした熟練のワーカーと、古い機械との相乗効果が良品質のデニムを作りだす秘訣のひとつなのかも知れません。

そして最後にもうひとつ。現在のジーンズはほぼ化学染料を使用するなか、コーンミルズ社は1978年まで創業当時と変わらず天然のインディゴ染料を使用していたとか。近年は天然インディゴの良さが再び見直され、2015年には創業125周年を記念して、アメリカで育てられた天然インディゴを使ったデニムコレクションが発表されました。

古き良き時代のデニムを守るには、古くから続く人・コト・モノを大切にすることが大事なのですね。