ジーンズの不朽の名作!ヴィンテージLevi’s501XXの歴史(vol.2)

言わずと知れた名作ジーンズ「リーバイス501XX」。現在に至るまで、そのデザインや生地などのディティールは何度もリニューアルされ続けています。流行を取り入れた変更だけではなく、中には歴史的背景によって余儀なくされたものもありました。前回「ジーンズの不朽の名作!ヴィンテージリーバイス501XXの歴史(vol.1)」で501誕生モデルから、他社が参入してくる1930年代までの変遷をご紹介しましたが、今回は、501XXの第二次世界大戦中と戦後期に作られたモデルをご紹介。

 

第二次世界対戦中の物資不足による影響
(1942年頃:WWⅡモデル・S501XX)

第二次世界大戦で慢性的な物資不足に陥ったアメリカ。その余波は、例外なくジーンズにもやってきました。
リーバイス社がアメリカ合衆国の戦時生産局から要請されたのは、金属や糸、布地といったジーンズに欠かせない素材を一定量簡素化すること。その要請に応えるため、501のディティール簡素化する仕様変更が始まりました。主に「耐久性」と「機能性」を進化させていた501のその「機能性」を削除する仕様変更です。
シンチバック、ウォッチポケットのリベットの削除、ロゴ入りボタンやリベット素材を安価なものへ変更、表からは見えないポケットの裏地の布には、様々な種類の余り布が充てられました。中でももっともインパクトの大きかった変更は、ヒップポケットのアーキュエイトステッチ(M字の補強糸)が、ペンキによるプリントに変更された点でした。このモデルは「ペンキステッチモデル」とも呼ばれています。

この時期のモデルは、その時々で削除されたディテールが異なるモデルが混在しています。物資不足によって一定の仕様に固定することはできなかったそうです。この混在した時期のモデル名の頭にはSimplified(簡素化)を意味する「S」がつけられ、「S501XX」とパッチに刻印されています。

しかし、これらの簡素化要求の中でも、唯一妥協しなかった部分がありました。「耐久性」の基盤となるデニムの重量です。重量(オンス)の引き下げを戦時生産局より指示されましたが、ワークウェアである以上「耐久性」の低下は譲れず、当時のニューヨーク所長がワシントンまで陳情に行ったとか。その結果、逆に生地の重量は12.5オンスから13.5オンスまで上がったという逸話まであります。

何が話し合われたかはわかりませんが、耐久性のないものはデニムに非ず、という、職人の魂を感じることができますね。

 

戦後のハイクオリティモデルの誕生
(1947年頃〜:1947年モデル)

戦争が終わり、ディティールの簡素化の指示が解除されると、リーバイス社は、戦前にも増してクオリティの高い501XXを世に送り出しました。
削除されていたアーキュエイトステッチやウォッチポケット、ロゴ入りボタンなどの復活だけではなく、それぞれの金属や糸の素材も、戦前よりもより耐久性のあるものにマイナーチェンジされました。また、シンチバックは、ベルトでの腰に固定する文化の普及により削除され、仕様的な面で現在のリーバイス501XXのベースが誕生することになりました。現在のレプリカジーンズは、この501XXを模倣して作られていることがほとんどです。

戦時中に納得いく501XXが作れなかったことへの反動や、すぐには作れずとも物資不足の中ジーンズの改良検討を怠らず行っていたことがうかがい知れるモデルで、マニアの間では正統派モデルとしてもっとも高値がつくモデルの一つとなっています。

 

2回にわたってご紹介した501XXモデルの変遷。次回は、近年の変遷についてご紹介いたします。